2017-05-14から1日間の記事一覧

パヴェーゼの『月と篝火』の示唆する民族的手がかり

パヴェーゼの最後の小説『月と篝火』(1949)は戦後、名声の絶頂にあった作者の白鳥の歌というべき悲劇というよりは惨劇にちかい物語りだ。篝火は「かがり火」と読む。 パヴェーゼはこの小説発表の4ヶ月後にトリノのホテルの一室で自殺を遂げる。二重の悲劇的…