司馬遼太郎も過つ

 弘法も筆の誤りではないが、司馬遼太郎もその膨大な著作や講演録で過ちをおかしている。
 例えば、1994年の自衛隊での講演『ノモンハン事件に見た日本陸軍の落日』では
ノルマンディーの連合軍上陸地点をロンメルが見過ごしていたと語っているが、実はロンメルはそこここに罠を仕掛けてあり、連合軍が辛酸を嘗めたことは有名だ。
 当日、ロンメルがたまたま不在であったのは不運だったけれど。

 もうひとつ、この主題のノモンハン戦争そのものもソ連の圧倒的勝利でなかったことは田中克彦の紹介によりかなり分かってきている。

 なので尊敬する司馬先生も誤ちをおこすたわけだ。
それでも「情報という感覚を失うとき、国が滅びるのです。」という結論は間違いはない。


ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

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