戦後日本の鎮魂セレモニー

 8月になると広島・長崎の慰霊祭、それに日航ジャンボ機墜落事故慰霊祭が立て続けである。
年初の1月17日は阪神淡路大震災の慰霊祭から始まり、おそらくは来年から3月11日の東日本大震災の慰霊祭が加わることとなろう。

 平成の大災害はこれだけある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E5%B9%B3%E6%88%90%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E7%81%BD%E5%AE%B3
 この中でいまだにニュースダネになる慰霊祭は「JR福知山線脱線事故」(4月25日)であろうか。
107名の犠牲者は衝撃であった。
 まったくタイプの異なる事件としては地下鉄サリン事件(3月20日)や松本サリン事件(6月28日)がある。それぞれ、13人と7人の無辜の犠牲者。
 こうした所が主要な恒例慰霊祭なのであろう。
 この他にも、池田小事件や大火災の犠牲者の慰霊祭は今でも続けられているのであろうが、時折紙面の片隅に載るに過ぎないようだ。何の違いがあるか分からないが、全社会的な追悼儀式には昇格しえなかった事情があるに相違あるまい。
 一瞬にして無関係な市民が命を絶たれる悲劇。それが国民の心に焼き付き、いつまでも続く鎮魂の儀式となるのであろう。

 以上が、戦後日本のかかえた社会的トラウマとなるわけだ。我らはトラウマをかかえたまま生き続けるのだ。



 今はのどかな松本サリン事件の現場(松本市北深志)


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