「お化け屋敷の効用」A.アクティピス (アリゾナ州立人!学)/C・スクリブナー (デンマーク・オーフス大学) 日経サイエンス2024年9月号
モンスター映画やお化け屋敷は現実世界の不穏な問題への対処スキルを安全に身につけることができる空間だ
被食動物に見られる「捕食者観察」は,最も危険な存在に関する情報を獲
得する手段だ。現代の私たちは,危害を加える可能性のある"捕食者"を
物語や映画などを通して学ぶ。
■怖い遊びは恐怖を克服するのに役立ち,予想外の出来事や予測不能な事態
に対処する練習になる。
『災害社会学』金菱清
災害後の死者と生者の交流
突然断ち切られた愛する人の生は生き残った人においてどうあるべきか
あるいは、生きながらえてしまったという慙愧を解きほぐすのに「心霊現象」はどれほどの意味があるのか?
妖怪はただの過去の迷信の遺物でしかない。これはどうも余りにも単純な「常識」でしかないようだ。アマビエはコロナワールドで現代社会にどのように立ち現れたを観察するだけでもわかるだろう。
「科学的予測」も「衛生的予防」「医学的完治」もによってもコントロールできないコロナ流行という自然界の異変に対して、現代文明は無防備にすぎた。
人びとはひたすらに官公庁や専門家の助言をきいて耐えていくしかない「非日常」の暮らし。そこで過去の超常的異物がささやかな慰安を与えくれたのだ。
子供たちはこぞって「アマビエ」をタリスマン的キャラクターとして画用紙に描いたものだ。
「迷信」といって嘲笑することもできるが、それはかえって大人げない。そもそもが、ふなっしーやひこにゃんなどのご当地キャラとそれほど距離があるわけではないのだ。