昼行燈とギリシア哲学者

 昼行燈は「ぼんやりもの」なる意で誉め言葉ではない。

そこで連想されるのが、犬儒派の哲学者の逸話だ。

言わずと知れたシノペのディオゲネスだ。

 彼は昼間にランタンを点けて、歩き回った。人になぜそのような振る舞いをするのかを尋ねられ、したり顔で言い放った

   「わしは本当の人間をさがしているのだ」