アニメという異文化アマルガム

 『パリピ孔明』なるアニメが中華圏のファンの高評価を勝ちえているらしい。

渋谷に転生した諸葛亮こと孔明はラップなど大衆的な歌謡アーティストの世界の征服に開眼する。主人を英子という若い歌手として、その軍略の才幹をいかし、集客やマーケティング、人材発掘、プロデューサ、マネージャに八面六臂の采配を振るうのだ。

 三国志の深い知見だけではなく古代の中国文化に対する深いリスペクトがある点が高評価の原因なのだという。

 おまけにオープニングはハンガリーの流行歌を持ち込んでいたりする。アメリカンポップスと中華文明、それに日本のユースカルチャー(コンビニやコインランドリなど消費カルチャー)などをまぜこぜにして一つの世界にまとめ上げているわけだ。

 このアニメに限ったわけではないけれど、漫画は奇妙で突拍子もない異文化融合や

異文化の存在を人びとに開示する。

 際物に近い『エルフェン・リート』は平成期の少女趣味と残虐シーンが湘南海岸で展開される。その主題歌の『Lilium』は聖歌風であり、ラテン語歌詞でもあった。

なぜか、ヨーロッパのイベントで合唱されたりして、奇妙な逆輸入が起きた。

 『ガールズ・パンツァー』なるミリタリものは少女戦闘員という妙な改変を行いつつマニアックな味付けで各国の固定ファンをつかんだ。世界中の名だたる戦車が登場するのだがこれも異文化混合の一種だろう。

 古くは『ルパン三世』なるクラシックがある。フランスの怪盗の孫が活躍するという設定だ。そもそもコミックやアニメの主人公の名前もカタカナネームが多い。

 明治維新からの和洋折衷の伝統がソフトカルチャーにも流れ込んでいる。それでも言い足りない。和漢洋の混合化の流れだ。それが全世界的ではないは指摘しておこう。アフリカや中東、南アメリカ、東南アジアなど影が薄い文化が多数ある。ソフトカルチャーに影響を与えている文化圏はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド、朝鮮、ロシアまでで8割を占めるだろう。また、ユダヤはその間合いに紛れている。

 


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